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八月の青い蝶 
仏壇の引き出しから見つかった「青い蝶の標本」が、現在と過去とを結びつけます。
急性骨髄性白血病の末期のために自宅に戻った亮輔は、
家族から見ると、仏壇を「いっしょくたに」拝んでいる風でした。
そんな仏壇から「蝶の標本」が見つかったのでした。
この「蝶」にどんな意味があるのか?
なぜそんな風に亮輔は仏壇を拝むのか?
惹きこまれます。
途中、戦時中の亮輔と希恵との恋愛小説かと思わせるつくりでしたが、
後半は、一気に戦争、原爆、被爆者等について考えさせられる内容でした。
舞台は2010年と、あの戦争が終わる1945年。
こんな章立てです。
一章 標 本 2010年8月
二章 動 員 1945年8月
三章 初 恋 1945年8月
四章 証明書 1945年8月
五章 脱 皮 1945年8月
六章 飛 翔 2010年8月
文章は読みやすくて、さらっと読めます。
ただし、話者がいろいろな登場人物の心の中に入り込んで、
徹底して登場人物の心情を語ります。
作品後半で、戦争や原爆や被爆者について、
読者に深く考えさせるために必要なことだったのだと思います。
青い蝶は、亮輔が希恵と初めて外で会った時に話題にあがった
「青空みたいな、泉みたいな、きれいなきれいな青色のチョウ」でした。
そして、広島のあの日、
羽化する瞬間を一緒に見ようと約束し、
結果として希恵を死なせてしまうことになるきっかけとなったものでした。
きえさんにみらいはあげられなんだ、と亮輔は思った。
――あげられなんだどころか、わしのほうがもろうとしもうた。
希恵の時間は止まり、標本箱の中に永遠になった。
希恵は死んで、自分は生き残った。希恵が使うはずだった時間をぜんぶもらった。
――人間ちゅうのは自分を守るために、ずいぶんいろんなことを言うもんよな。ひどいことを言うよ。だって、相手を否定せにゃ、自分のほうがつぶれてしまうもの。ひどいことも言うよ。自分を守らにゃいかんから。そうよ。そうせにゃ、自分がつぶれてしまうもの。
八月の青い蝶
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